RICKENBACKER WITH
Paul McCartney


- ポールのリッケン -


*見分けづらい4000シリーズ*


写真1 4001S


写真2 401C64S


写真3 4003






よく楽器店とかに行っても、同じ4000シリーズというだけで、形が似ているからとプライス等に「ビートルズの使ったリッケン」などと平気で書いているのを目にします。

これは他のリッケンのギターにも言えるのですが・・・


ポールのリッケンバッカー・4001Sの話の前に、この判りにくいリッケン。

特に4000シリーズの似たモデルの説明をしたいと思います。

4000シリーズの中でよく勘違いされるのが4001と4003。

4001Sと4003Sです。

写真1はポールが最初に手にする4001Sの復刻版。

写真2がウイングス時代の4001Sのレプリカ。
長いほうのツノの先端が丸いのが特徴。

写真3は現在の4003です。

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4001・・・・・デザインは写真3の4003に似ていて、フレットのポジションが三角。
ボディー周りにバインディングが有り、リア・ピック・アップの周りの金属プレート(マウント・リング)が写真1の様に台形。

4001S・・・写真1が4001S。(ネックがポール・モデルの為、左用になっているが)フレットがドット・ホジション。
4001Sの「S」はスタンダードの意味です。

4003・・・・・写真3が4003です。リア・ピック・アップのマウント・リングが四角です。

4003S・・・デザインは写真1の4001Sに似ていて、フレットのポジションがドット・ポジション。ボディー周りにバインディングが無く、リア・ピック・アップのマウント・リングが4003ですので四角です。

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まとめると、
リアピックアップのマウント・リングが台形なら4001シリーズ。
四角なら4003シリーズ。
フレットのポジションがドット・ポジションなら、そのモデル・ナンバーにSの付くスタンダード。
ということです。

仕様は、いずれもスルー・ネック。

4001と4003はステレオ・アウトプット。

Sの付くモデルはモノラル・アウトプット。

ちなみにリッケンではステレオ・アウトプットの事を
R.O.S(リック・オー・サウンド)と言います。


では、4001シリーズと4003シリーズの違いは? と言うことですが、ネックに入っているトラスロッドが4003シリーズは強化タイプになっているのが決定的に違う点。

ピック・アップ等も異なったりしますが、細かく言い出すと年代などによってキリ無く出てくるので、ここではこれぐらいで。


ちなみに最近、63年の4001Sのリイシューの「4001V63」というのを見かけるが、あくまで63年のリイシュー、ポールの64年とは仕様も違います。(4001Sは61年発表)ここで話すのは、あくまでポールのリッケンの話。

先ほど、写真2の説明で復刻とは言わず、レプリカと言った意味は、
ウイングス時代のリッケンはポールが4001Sを改造した物で、リッケンがわざわざ作ったポールモデルでは無いからです。

写真2を見て、4001Sなのに、リアのマウント・リングが四角じゃないか? と思った人。

下の記事をよく読んでくださいね。


*1964 4001S Fireglo*


写真1


写真2


写真3


写真4


写真5
まず、ポールが4001Sを入手した経緯から話をします。


64年2月、最初のアメリカ公演でニューヨークへ行った時、サボイ・ホテルの一室に何本かのギターをディスプレイして、リッケン・バッカーの社長、F.Cホールはビートルズの来るのを待っていた。ジョージは風邪をひいており、やって来たメンバーは3人だった。

この時ポールは4001Sに初めて触れるのだが、ヘフナーから新しいベースを貰ったばかりで、悪いと思ったのか受け取らなかった。


65年8月、3回目のアメリカ・ツアーでロサンゼルスに滞在中 (そう、例のシェア・スタジアム) 、F.Cホールは息子のジョン・ホールと連れだって、ポールにベースを渡そうと滞在先を訪ねる。するとそこは、バーズのメンバーや、沢山のミュージシャンでちょっとしたパーティーになっていた。

ホール親子が4001Sを手渡すと、その部屋に有った小さなアンプで早速プレイを始めた。

こうして、ポールは4001Sを手に入れました。

ですから、65年に入手したのですが、前年に触れるだけした、64年製なのです。



この時点での、ポールの4001Sの仕様について話します。
写真1参照。
ネック・・・・・・・・メイプル1ピース。 指板はアフリカン・ローズ・ウッド。 ポジション・マーカーはドットタイプ。右利き用のネックだが、指板サイドのポジションは左利きでも不便の無いよう、両側に入っている。
ネーム・プレートはアクリルのロゴが逆から入った物。
「MADE IN USA」の文字は無い。

ボディ・・・・・・・・・メイプルのスルー・ネック構造。 少し濃いファイヤーグロー・フィニッシュ。

ピック・アップ・・・フロントはトースター・トップ・ピックアップで、ギターと兼用ののポールピースが6個の物。リアはホース・シュー・ピックアップ。リアのマウント・リングは4001Sなので台形の物。

その他・・・・・・・・2ボリュム、2トーンコントロール、ノブはブラック・トップ。 出力はモノ。 ペグはクルーソン。


コンサート活動を止めてから、この4001Sは大活躍するのだが、このベースも変貌していく。

写真2の、仕様はそのままでサイケペイントを施した4001Sの姿はプロモ「ハロー・グッドバイ」や、TV映画「マジカル・ミステリー・ツアー」でよく知られる。長いツノの方はシルバー、短いツノの方からボディーにかけては白、そして赤を垂らしている。パーツを外さずペイントしている為、ボリューム・ノブや、ピックガード、ピック・アップにまで色が付いている。


69年頃になると、塗装を剥がし木目をだして、薄く塗装をかける。
写真3参照。
このベースの姿は映画「レット・イット・ビー」の中で確認できる。(立てかけているだけだが)


ビートルズ解散後、まず
ツノが削られる。写真が無くて残念だが、私の手元の写真には、リアのピック・アップはホース・シューで、カバーも付いたままツノが削られた姿の4001Sの写真がある。


次に写真4・5の様にリアのホース・シュー・ピック・アップはハイ・ゲイン・ピック・アップに交換され、マウント・リングは四角い物に交換されるのだが、サイズが違うためピック・ガードとの隙間が大きく開いてしまう。ピック・ガードが割れていた事もあり (リッケンは他のメーカーが塩化ビニールなどの、弾力性の有る素材を使っていたのに対し、割れやすいアクリル材を使っている) 、同時にピック・ガードも交換している。


記事はビートルズのリッケンバッカーという事なので、69年までが該当するのだが、もしウイングス時代のリッケンをあなたが欲しいと思うなら4001Sファイヤーグローを入手して上記の改造をするのが、真のポール・モデルと言える。

メイプルの現在もビートルズの資料では、ファイヤーグローと明記されているからである。(笑)

























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