RICKENBACKER WITH
George Harrison
- ジョージの使った3つのリッケン -
*1962 425 Jetglo*
「ジョン、返してよ」 「ウーン、軽い!ノリノリさ!」 「姉ちゃん、アリガト」 |
ジョージのリッケンといえば12弦が有名ですが、ジョージの最初のリッケンといえばこの425です。 |
ジョージは2ピックアップの450も持っており「ディス・イズ・ラブ」のビデオクリップの間奏でスライドしている。 頭の4がボディーシェイプの番号。真ん中がピックアップ。最後がトレモロの有る無しということらしい。 |
写真1 写真2 写真3 |
ジョージのリッケンの中で一番有名なのが、この360/12でしょう。 余談ですが、バーズのロジャー・マッギンはビートルズの「ア・ハード・デイズ・ナイト」を見て、リッケンの12弦を手に入れたと言います。 名曲「霧の8マイル」は、ジョージがこの360/12を使わなければ無かったのです。(言い過ぎ?) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ では、このリッケンバッカーで2本目に作られた (1本目の話は後で) 360/12の話です。 仕様は以下の通りです。 制作1963年12月。(ビートルズの為に作った為、制作日が判っている) ペグはクルーソン。ブッシュは六角。 ネーム・プレートは弦がヘッドの中から出てくるため、6弦側がえぐれたカーブになっている。MADE IN U.S.Aの文字は無い。 ピック・アップはトースター・トップ・ピック・アップが二つ。 ブリッジは6弦用を流用。(2つの弦が1つのサドルに乗っている) テイル・ピースはコの字形。2枚式のアクリル・ピック・ガード。 コントロールは、ピック・アップ・セレクター、2ボリューム、2トーン、ミキサー・コントロール。ノブは、ブラック・トップ。 アウト・プットにR.O.S (リック・オー・サウンド) もついています。このステレオ・アウト・プット・システムは、フロントとリアのピックアップを別々に出力するものです。 ボディーはメイプルの3ピース。 表裏に白いセル・バインディング。トップにキャッツ・アイ・ホールと呼ばれる、サウンド・ホール。 フィニッシュはファイヤーグロー。 ポジション・マーカーは、クラッシュ・パールではなく、乳白色の素材で、所々わずかな黒が入っている。 ネックは6弦と同サイズのスリムなタイプ。 メイプル材の間にウォルナットが通3ピース。ヘッドはウイングにウォルナットを足して5ピースになってあります。 さて、入手経路です。 ポールの項にも書いたのですが、64年2月、F.Cホールはサボイ・ホテルでビートルズの面々を待っていました。しかし、風邪のジョージだけプラザ・ホテルで寝ていました。 最初この360/12、ジョンが見るのですが、ジョンが「ジョージに見せてやりたい。僕たちのホテルに来てくれ」とホールに言います。 F.Cホールは360/12とリッケンのセパレート・タイプのアンプ、シールドを持ってジョージの寝ているプラザ・ホテルを訪ねます。 ジョージはミネアポリスのラジオ局から、電話でインタビューを受けていました。 インタビューで 「何をしてるの? 」 と聞かれ、「僕のリッケンバッカーを弾いているのさ」 と答えます。 で、ホールが 「弾いてみるか? 」 と手渡し、インタビュアーに「どんな具合? 」と聞かれ、「とても気に入っている」 とギターを持ったまま答えています。 こうして、ジョージは360/12を手に入れます。 このギターの最初のレコーディングですが、アメリカから帰った1964年2月25日ジョージ21歳の誕生日。 「キャント・バイ・ミー・ラヴ」のB面の「ユー・キャント・ドゥー・ザット」が初めて。よく、「キャント・バイ・ミー・ラヴ」のオーバーダビングから使用といわれているが、その説は現在否定されています。 やはり、ギブソンや他のメーカーとは弦の張り順が逆でフラット・ワウンド弦を使ったリッケンならではのサウンドです。 この360/12はプロト・タイプと言える物で、その後の360/12と製造ラインも異なり、音も違う為、ジョージは大事にしていました。 |
上のジョージの、リッケンの二本目となる12弦の前に作られた最初の12弦ギター。 |
写真1 写真2 |
ビートルズが来日したとき、ジョージの歌う「恋をするなら」で7フレットにカポタストを付けていたギターです。 ピックアップはトースター・トップが二つ。 |
BACK | TOP | INDEX |